企画趣旨

1・朝顔の育成を通して、人と人・人と地域・地域と地域のコミュニケーションを促し、現代社会に於ける人と地域の関係を検証する。
2・人と人の関係性の中から創造されてくるカタチを芸術の根本と捉え、社会の中における芸術の機能性・多様性を試みる。

 これまでの経緯

2003年、第2回大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレに於いて日比野克彦が新潟県十日町市莇平(あざみひら)で「明後日新聞社文化事業部」を設立する。地元の住民との交流を促進する目的で、集落の廃校になった木造二階建ての小学校を拠点とし、住民と朝顔を育てる。校舎の屋根まで180本のロープを張り、建物を朝顔で覆い尽くす。その夏、山深い人口200人の村に3000人もの人が訪れる。

2004年からも前年に採れた種を使って、朝顔の育成を莇平で続ける。季節の移り変わりと供に、植物の育成という創作活動に関わることは地域との関係を深めることになる。同じ事を繰り返すことによって、つまり、活動が繰り返し、連動していくことによって、人と人、地域と人との関係性が深まっていくことが実証されていく。

2005年には茨城県水戸市・水戸芸術館で行われた「HIBINO EXPO 2005日比野克彦の一人万博」に於いて、新潟で育てた朝顔を育成する。朝顔の苗と新潟莇平の人達を水戸の人達が迎え入れる。水戸芸術館に300本のロープを張り、新潟生まれ水戸育ちの朝顔が誕生する。2万人の人が訪れる。

2006年には明後日朝顔は、福岡(福岡市役所・大名商店街)、大宰府(太宰府天満宮)、岐阜(岐阜県立美術館)に拡がっていき、朝顔の種が各地に運ばれる。それをキッカケにして、人々の交流も生まれてきた。

2007年、明後日朝顔の種が各地に運ばれることによって生まれてくる地域と地域・人と人の交流に視点を注ぎ、芸術表現の根本である人と地域の関わりによって創造されてくる事象を検証し、社会の中での芸術の多様性・機能性を試みた。その大きなトライアルの場となった金沢21世紀美術館では、丸い建物(周囲350m)の周りにロープを張り巡らし明後日朝顔を育成。その中には、全国各地から送られてきた苗が含まれており、朝顔の苗とともに人々も金沢を訪ね、交流が生まれた。
 種というものが巻き起こす人々の動きは、生物としての人間が成長していく上において心身ともに必要なことである。移動することにより日常の様々な事象が混ざり合い、時間とともにその中で生活している人々は変容していく。私たちは種を送り出す立場でもあり、同時に種を受け入れる立場でもある。自分の地域から自分が出掛けること、自分の地域に他人を出迎えることが、地域社会を活力あるものにすることである。この動きは、人と人の関係性の中から創造されてくるカタチを産み出して行く事となり、芸術の根本を問いただす事に繋がっていく。 創造する起動力としてのこのような試みを『「ホーム→アンド←アウェー」方式』と名づけ、金沢21世紀美術館で行う日比野克彦の展覧会全体のネーミングとした。

2008年には、新たに、北本(埼玉県北本市)、舞鶴(京都府舞鶴市)、鹿児島(鹿児島県鹿児島市)の3地域が加わり、全国17地域で実施。5月には、今年で4年目を迎える水戸芸術館を会場に明後日朝顔会議2008(全国大会)を開催。全国の明後日朝顔担当者が集まり、アートプロジェクトとしての明後日朝顔が目指すこととは何か、プロジェクトを持続する上で生じた疑問など白熱した意見交換を行い、地域をこえてつながりを深める。各地で収穫された六代目の明後日朝顔の種は、11月29日、横浜で行われたTHE SEEDS TRIP「種は船」造船プロジェクトの進水式にて、「種は船・Y150丸」「種は船・Yokotori丸」に積み込まれた。

2009年は5地域(新潟、富岡、福井、四万十、種子島)を加え22地域でスタート。5月、明後日朝顔会議2009を実施(水戸芸術館)。皆既日食観測帯域である種子島に鹿児島から朝顔の種が届き、「種は船・月丸」が地元の人々により造船された。7月22日の皆既日食の日には「種は船・太陽丸」と「月丸」を重ね、天上と同時に地上でも皆既日食を創造。日昼に夜を体験した種子島の朝顔は、日食後その日2度目の開花をした。「大地の芸術祭2009」が行われた莇平では、通常の3倍の朝顔を育て、日比野アートプロジェクトについて考えるシンポジウム「ヒビノサミット」を開催。明後日朝顔参加地域各地の物産を即売する「明後日市」も大盛況。新潟市で行われる「水と土の芸術祭」でも「明後日朝顔」を育成する。9月には、「開国博Y150」の拠点「竹の海原」で展開された明後日朝顔横浜2009 と各地で収穫された明後日朝顔の種を「種は船」が積み込み、次なる150年に向け出航した。

2010年は、千代田(東京都千代田区/3331Arts Chiyoda)が加わる一方で、つくばが2010年の開催を辞退することとなった。 千代田は、莇平と同じく廃校となった学校が舞台である。千代田が加わったことで、「東京」を莇平や各地域と同じような地域性を持つ一つの地域という視点で改めて捉えなおす契機となった。 4月にNASAのスペースシャトルに乗り込んだ山崎直子宇宙飛行士に種子島で採れた明後日朝顔の種を託した。宇宙を旅した種を媒介にして、参加地域の人たちは宇宙を身近感じることになった。

2011年は、あづみの(長野県安曇野市)が加わり、23地域で育成される。5月、鹿児島で明後日朝顔会議を開催。初回、2回目と行ってきた水戸から開催地を移動して行われる。

 2011年・明後日朝顔育成地域

2011年は23地域が参加しています。
※2011年5月20日現在。追加、変更などあれば随時加筆・修正していきます。

莇平(新潟県)
新潟(新潟県)
金沢(石川県)
水戸(茨城県)
富岡(群馬県)
北本(埼玉県)
千代田(東京都)
横浜(神奈川県)
福井(福井県)
岐阜(岐阜県)
あづみの(長野県)
舞鶴(京都府)
傍示(徳島県)
四万十(高知県)
福岡(福岡県)
太宰府(福岡県)
杖立(熊本県)
熊本(熊本県)
天草(熊本県)
霧島(鹿児島県)
鹿児島(鹿児島県)
種子島(鹿児島県)
沖縄(沖縄県)

 明後日朝顔2010のしおり

水戸で開催された明後日朝顔会議2010で使用したしおりがダウンロードできます。
明後日朝顔のことをもっと知りたい方、 まわりの人に教えたい方、ご自由にご活用下さい。

(しおりの作り方)
1 以下のリンク先からしおりデータをダウンロードしてプリントしてください。  
●明後日朝顔のしおりデータはこちら(PDF:19M)↓
http://nsc.sub.jp/pdf/asagao_kaigi_100507.pdf
※プリントする用紙はA3サイズを推奨します

2 真ん中の点線にそって切り込みを入れ、
表紙が表にくるように、本型に折ってお使いください。